【 乙一 】【乙一】 プロフィール:1978年10月21日、福岡県生まれ。本名は安達寛高。 17歳のとき「夏と花火と私の死体」で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞。 その際、選考委員の栗本薫の強力なプッシュもあったという。 デビュー後は集英社、角川書店を中心に活動中。■□■夏と花火と私(わたし)の死体■□■ ■九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく―。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか?死体をどこへ隠せばいいのか?恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作、文庫化なる。第六回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞■ ■22-20sの感想■ ■死体の視点で物語をすすめるアイディアがハンパじゃない。これが16歳の作品だなんて、信じられない!構成とか情景描写とかとにかくすごいんです。皆さんも自分が16の頃を思い返せば、この才能に驚愕するはず。文が上手い、というか好き。続きが気になって、一日で読みました。面白いの一言。■ 夏と花火と私(わたし)の死体(オススメ度★★★) ■□■天帝妖狐■□■ ■とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。 表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。ホラー界の大型新人・乙一待望の第二作品集。■ ■22-20sの感想■ ■まずは、天帝妖狐。 この作品は乙一にはまるきっかけをつくった作品と同時に一番好きな作品でもあります。ほんとあっというまに読めました。話がほんとに面白い。本当の人のやさしさがつまっています。夜木の永遠の孤独の中で、輝く思い出・・哀しいです。この作品で私は電車の中でボロボロ泣いてしまいました(笑) 最後の文が好きです。【もしも私が人間であったなら、ずっとあなたのそばにいたかった。さようなら、ありがとう、私に触れてくれた人。】この部分が私の個人的な泣きポイントに炸裂しましたね(笑)この部分、私に触れたっというのは、体だけじゃなく心に触れたっという意味もあると思います。私も昔、心が荒れていた頃(笑)とある人に出会いまして、その人は私の歪んだ心と向き合ってくれて、本当に私は救われました。人は人で救われるんです。彼女はわたしを良い方向に導いてくれましたね。とても感謝しています。ソノ人は今でも私の大切な人です。いまでも良い付き合いを知っています♪そんな過去のこともあり、この部分で泣いてしまいました。 ほかにもこの作品は話の構成も展開も素晴らしいです。私以外のひとも涙が止まらなくなる人がかならずいます。切ないってこういうことをいう。そういう作品です。ほんとオススメ。 ■『A MASUKED BALL』という作品もこの小説には収録されていて、実はこっちの作品のが人気があります(笑)こちらも、構成、展開が最高です。ラストなんて、鳥肌がたちますよ。 この乙一という作者は読む人の想像力を活性化させる。そんな文を書きます。乙一さんのこれからにも期待ですね。■ 天帝妖狐(オススメ度★★★★★) ■□■死にぞこないの青■□■ ■飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現われた。書き下ろし長編小説。■ ■22-20sの感想■ ■ありえない世界なのに現実味がある不思議な感じ。乙一ワールドに引き込まれて一気に読んでしまいました。作者に文章力があるためか、非常にリアルにアオの存在がわかって、怖かった。毎回毎回、主人公の前に現れるときとかドキドキでした(笑)内容的には、イジメなのですごい嫌な気分になりますが、これもまた作者の文章力に助けられ引き込まれます。個人個人違いますが、自分は乙一作品の中でこれが一番怖かった気がします。 ■ 死にぞこないの青(オススメ度★★★) ■□■暗いところで待ち合わせ■□■ ■視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。書き下ろし小説。■ ■22-20sの感想■ ■話全体に広がる雰囲気が良い。悪趣味な設定(笑)ですが、静かな感動を生む本ですね。特にラスト二ページがいい!人間の弱さと醜さ、そしてほんのりと滲み出る暖かさ…特に最後の二人で生きていこうって言うシーンが印象深いですね。本当に感動しました。きっと、この作品はたくさんの人に受け入れられると思います。乙一作品のなかでも、かなり完成度の高い作品です。やっぱ、乙一は天才だ! ■ 暗いところで待ち合わせ(オススメ度★★★★★) ■□■平面いぬ。■□■ ■「わたしは腕に犬を飼っている―」ちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に彫ってもらった犬の刺青。「ポッキー」と名づけたその刺青がある日突然、動き出し…。肌に棲む犬と少女の不思議な共同生活を描く表題作ほか、その目を見た者を、石に変えてしまうという魔物の伝承を巡る怪異譚「石ノ目」、ぼくたちにしか見えない友達【はじめ】のお話、見た目は悪いけど、純粋無垢な【BLUE】のお話。天才・乙一のファンタジー・ホラー四編を収録する傑作短編集。 ■ ■22-20sの感想■ ■読後、またしても、この人は天才だと叫びたくなりました。どれも一級品のドラマで、ありえない設定なのに許せてしまい、心が和み、しかも驚く、そんな本です。個人的に一番ツボだったのは『BLUE』ですね。健気なブルーには惹きつけられ放しでした。ブルーの純粋無垢な姿には涙が溢れます。。。空想の少女との出会いから死別までの八年間の出来事を淡々と綴った「はじめ」は、冒険と喪失の少年小説として絶品。静かな感動を湛えたその質と完成度は、表題作と比べても甲乙つけがたいです。とくに、『はじめ』の存在の描き方が素晴らしい。和製メドゥーサと民話調母恋物をミックスした「石ノ目」は、物狂おしい女の業のたちこめる家と空間の怖さを見事に造形しきって読ませる。中国人彫師が少女に刻み込んだ小さな青い犬の刺青をめぐる怪異譚「平面いぬ。」は、クールでリリカルな乙一の世界を凝縮している。──もう、ほんと、素晴らしい。■ 平面いぬ。(オススメ度★★★★) ■□■暗黒童話■□■ ■突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ちかまえていることも知らずに…。乙一の長編ホラー小説がついに文庫化。 ■ ■22-20sの感想■ ■とてもグロい(笑)でもそれだけじゃないのが乙一さんです♪毎回、この人の発想力にびっくりしてます。設定がありえないし、現実離れしているけど、ただのファンタジーになっていない。丁寧に描かれた世界には現実を少し感じます。もうとにかく乙一の作品は文章がうまいので、物語に引き込まれます。私は【アイのメモリー】が好きです。暗い話とは思いますがところどころに、切なさや暖かさがあって、そんなに読んだあとは気持ちが悪くなるということはなかったです。むしろグロイ話が平気な人にはとってもオススメです!考えさせられるところもあるので一度は読んでみる価値はありますよ!あと、この本のあとがきは最高に面白い(笑)立ち読みであとがきだけでもいいから読むのもいいかもしれない(笑)■ 暗黒童話(オススメ度★★★★) ■□■失踪holiday■□■ ■14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。 大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出!その失踪先は…となりの建物!!こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって…!? 心からやすらげる場所を求める果敢で無敵な女の子の物語。 その他うまく生きられない「僕」とやさしい幽霊の切ない一瞬、あの乙一最高傑作!「しあわせは子猫のかたち」を収録。きみが抱える痛みに、そっと触れます。■ ■22-20sの感想■ ■”しあわせは子猫のかたち”は最高にお勧めです。 胸を締め付けられるような、でも、ああ、こう感じているのは自分だけではないんだという、ほっとした気持ちにもなります。 とくに最後の手紙。ほんとやられます。涙が溢れてきます。乙一の作品はラストが良いですね♪>天帝妖狐 でもラストで私はやられてます(笑)ほんと心が温かくなります。大人の方にも読んで頂きたいですね。 「失踪HOLIDAY」のほうもレベルが高い。どうしたら、あんなにコミカルなキャラクターや会話が考えつくんですかね(笑)ジャイアンのような少女も最高(笑)楽しく読ませていただきました♪ 最後のどんでん返しも見事にはまった。先が全く読めなかったわけではないのですが、乙一さんは、どんでん返しの使い方も上手いです。そして何より不快感のなさですね。どこにも不快感を感じるところがありませんでした。うーん、マルです♪ ■ 失踪holiday(オススメ度★★★☆) ■□■さみしさの周波数 ■□■ ■「お前ら、いつか結婚するぜ」そんな未来を予言されたのは小学生のころ。それきり僕は彼女と眼を合わせることができなくなった。しかし、やりたいことが見つからず、高校を出ても迷走するばかりの僕にとって、彼女を思う時間だけが灯火になった…"未来予報"。 ちょっとした金を盗むため、旅館の壁に穴を開けて手を入れた男は、とんでもないものを掴んでしまう"手を握る泥棒の物語"。 他2篇を収録した、短編の名手・乙一の傑作集。■ ■22-20sの感想■ ■秀逸なのは『未来予報』だと思う。 「イイ話」ではあるのだが、根底に漂うのは、虚無感、である。 小学校のときにある女の子と結婚する未来を予報されるフリーターの「僕」は、その女の子を意識しながらも何も行動を起こせない。何もできない自分がみじめで、将来が不安で、自分がこれから今以上豊かになることも無いことを多分知っている。 しかし、彼女との短い交流の思い出をこれからの糧に生きていくことを決意する二十歳の男。深いあきらめの境地。その中でなんとか希望の光を見つけようともがくいじらしさ。なんだか若者の溌剌さが全く感じられず、それが今の時代を表している気がして、まさにさみしさを感じた短篇でした。 「手を握る泥棒の物語」ではコミカルな視線。この状況造りには舌を巻きました。こんなにも特異な視線で通した物語を、なんのてらいもなく描写していくことで自然と引き込まれてしまいます。これぞ技あり。乙一にしかできないシチュエーションだと思います。 「フィルムの中の少女」でもその特異な視点というのは活きています。これは読めばすぐわかると思います。あえてここで説明しないほうが良いかと。ただこの作品、ホラーを意識しすぎたか、本来の乙一の味を出し切っていないような気がしました。 「失はれた物語」は、どうしてもやりきれない物語。ここで出てくる視線は、なんと説明すべきなんでしょうか。「泥棒」以上に特異な視線です。文学的であり、透明感があり、最後の喪失感にはやりきれません。ラストでは涙が溢れてきました。←泣いてばっかりですね(笑)この作品は、何か大切なものを教えてくれた本ですね。■ さみしさの周波数(オススメ度 ★★★★) ■□■ きみにしか聞こえない Calling you ■□■ ■私にはケイタイがない。 友達が、いないから。 でも本当は憧れてる。いつも友達とつながっている、幸福なクラスメイトたちに。 「私はひとりぼっちなんだ」と確信する冬の日、とりとめなく空想をめぐらせていた、その時。美しい音が私の心に流れだした。それは世界のどこかで、私と同じさみしさを抱える少年からのSOSだった…。 (「Calling You」)誰にもある一瞬の切実な想いを鮮やかに切りとる"切なさの達人"乙一。表題作のほか、2編を収録した珠玉の短編集。 ■ ■22-20sの感想■ ■「Caling You」は現在のケータイ社会を風刺してるかのようにも取れます。 ケータイに関する何らかの悩みを抱えている人は意外に多いのではないでしょうか。 私も含め、すっかりネット人間となり、ネットでの 人間関係はリアルで身近な人間関係と大差がなくなってきている、そんな「今」だからこそ読んでほしい作品です。 最後がね~、「うあぁぁ~~」ってうなっちゃうくらい哀しいです。 けど、それでも読後感がさわやかなのは、心を通わせることを知った彼女の力なのかもしれません。 「傷」は幼さ故の純粋さが胸に痛い作品。 アサト君の優しすぎるほど優しい心・・・優しい人は、同時に傷つきやすくもありますね。 その心の痛みが切なかったです。 華歌は、花が歌うんです(笑) きっと乙一にやられたー!って思うはず。この話は真実を知ってからもう一度読むと、違う何かが見えてきます。 華が歌う。ただそれだけじゃ話にならないからそこにミステリー風味を加えた感じ。その華にまつわるエピソードがなんだが面白かった。これは、温かみがあるかな。その華の歌に聴き入られて自分自身の中でも何かが変わった3人。単純に良いなあ、って思う。 切っ掛けがあって変われた主人公。その、華のエピソードが切ない。切ない分、華は歌うんだろうなあ。メッセージとして。 まあ、ともかく3作品とも全体的に、読後感がさわやか。宝石にたとえると小さなほのかに輝く輝石。植物にたとえると、目立たないところに懸命に生きている、白くて小さな花をもつ野草。ダイヤモンドやバラではないけれど、ふと気付くと見えてくる、そんな美しい話です。■ きみにしか聞こえない(オススメ度★★★☆) ■□■くつしたをかくせ! ■□■ ■夜になると大人たちは、おびえながらこどもたちに言った。サンタがくるぞ!いま最も注目されている作家乙一初めての絵本。 ■ ■羽住都さん。この方の絵は美しいですね。物語ですが、乙一はきっと読んだ人にいろいろ想像させたいんだと思います。そう感じました。でもあとがきは乙一節。私はこの方のあとがき大好きです。 ■ くつしたをかくせ!(オススメ度★) ■□■Goth リストカット事件 ■□■ ■森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。 学校の図書館で僕らは、次の土曜日の午後、まだ発見されていない被害者の死体を見物にいくことを決めた。 話題騒然の若き天才乙一の初の単行本!■ ■22-20sの感想■ ■COOLってかんじですね。 主人公が非常にドライでよかった。もうちょっとクール(おれはお前らとは違うんだ的な)ぶったのを想像してましたが、読み進めるほどに露呈していく予想以上の切れっぷり。 毎回まんまと騙されました。 確かにつじつまは合わないような違和感はあるのですが、それを飲み込むおもしろさです。乙一の文章には引き込む力があるのだと思います。 異空間に連れて行かれたような感覚を味わえる作品ですね。 六つの作品からなる話はどれも面白かったけれど、なかでも、切ない気持ちに駆られた「犬」、 冒頭からぐいと掴まれた「土」、(犯罪者の心理が切なくて行き場の無い気持ちとかがすごく書かれてると思う。) スリリングな展開にぞくぞくさせられた「声」、 この三編が印象に残る。 ミステリー好きは絶対に読んだほうが良いですよ♪ さあ、乙一ワールドへ!■ Goth(オススメ度★★★★★) ■□■Zoo■□■ ■いま最も注目される若手ナンバーワン、乙一の魅力爆発の短編集。 毎日届く恋人の腐乱死体の写真。 彼女を殺したのは誰か? 「犯人探し」に奔走する男を描く表題作他、書き下ろし新作を含む10編収録。 ■ ■22-20sの感想■ ■この作品集で特に好きなのが、【陽だまりの詩】。 単純に感動できます。 ロボットの女の子が死について学んでいくお話。 とても美しい話です。 何回も読みたくなる、傑作。マジ泣ける。 あと「血液をさがせ!」の暗いはずなのに中身がカラっと乾いているところが好みでした。 この作品と【ZOO】もそうですが、発想がぶっ飛んでる。 こんな話、乙一以外、こんなに面白く出来ないな。っと思う。お見事。 あと【神の言葉】。 ラストにゾクゾクきます。 【SEVEN ROOMS】の完成度の高さには驚きの一言です。 まあ、なんかのモチーフっぽいけど、あの短さで恐さや、緊張、そして切なさをも盛り込むとは、構成と文の作り方が天才的。素晴らしい。 【落ちる飛行機の中で】は最高。 このブラックユーモア。さすが乙一。 私はかなり爆笑でした。でも読んだ後はさわやかなんですよ(笑)なぜか。 確かに残虐なテーマを扱っているのだけれど、どの作品にも共通して、人間の、人間ゆえの愛を求める気持ちとか、愛する気持ちとか、大事なことを忘れてはいけないよ、と教えてくれているような気がします。 だから、小説の主人公にとっては絶望的なラストでも、読んでいるこちらが励まされるような感じになり、読んだあと、切ないのだけれど、ホッと気持ちが温かくなるような気がします。 そこに書いてあることはとても悲惨なのに、読んでいるこちらは、打ちのめされずにすむような、パンドラの箱の最後の「希望」のような仕掛けがどの作品にもあるのです。 映画も観ました。 どの監督も自分の個性を各作品にうまく溶かしていて、とても面白かったです。 でも正直、あと一歩(笑) 映画の【So-Far】は原作より面白かったです。一番、完成度がよかったかな。■ Zoo(オススメ度★★★★☆) ■□■失はれる物語■□■ ■きみの音楽が独房にいる私の唯一の窓、透きとおった水のような6篇の物語。 ブロードバンド映画「手を握る泥棒の物語」原作、 書き下ろし短篇「マリアの指」同時収録。■ ■22-20sの感想■ ■この本、まず見た目に惹かれます♪カヴァーデザインが素敵です。 なんて綺麗な本なんだろうっと思いました。 そんで、中身はというと、特に好きなのが、表題作「失はれる物語」。 この作品は前に紹介した【さみしさの周波数】にも収録されてます。この作品は、右手以外の全ての感覚を無くした、植物状態一歩手前の男の、一人称で語られます。 私は視覚も聴覚も機能していない人間の胸中を、ここまで描く作者の表現力に驚き、そして感動いたしました。 あとオススメは、【しあわせは子猫のかたち】。 この話は冷めた大人でもボロボロ泣ける。 乙一作品でも一、二を争う傑作中の傑作。 今までの世界を失い、違う何かを手に入れる。 収録されている6編は全て、生きる上での切なさに溢れ、 しかし、読後に残るのは虚無ではなく、不思議とあたたかさでした。■ 失はれる物語(オススメ度★★★★) ■□■小生物語■□■ ■ホームページ連載中から、そのあまりの面白さで、多数の熱狂と興奮を喚んだ伝説の日記が一冊に! 小生≒乙一が綴る、虚構と現実と夢とギャグが入り乱れた、前代未聞の奇書。 ついに刊行! ■ ■22-20sの感想■ ■乙一さんの独特の思考がおもしろい。 どこからあの独特の考えが生まれるのか不思議です。 本当に面白い人です。 ギャグはもちろん、たまーに、素敵なことが書いてあって、それがまた良い。 でも、余白も多く、なんか高いなっと思います(笑) でも、ファンなら買いだし、楽しくて摩訶不思議な乙一ワールドを味わえますよ♪■ 小生物語(オススメ度★★☆) ■□■ 銃とチョコレート / 乙一 ■□■ ■少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。 現場に残されているカードに書かれていた"GODIVA"の文字は泥棒の名前として国民に定着した。 その怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズは子どもたちのヒーローだ。 ある日リンツは、父の形見の聖書の中から古びた手書きの地図を見つける。 その後、新聞記者見習いマルコリーニから、「"GODIVA"カードの裏には風車小屋の絵がえがかれている。」という極秘情報を教えてもらったリンツは、自分が持っている地図が怪盗ゴディバ事件の鍵をにぎるものだと確信する。 地図の裏にも風車小屋が描かれていたのだ。 リンツは「怪盗の情報に懸賞金!」を出すという探偵ロイズに知らせるべく手紙を出したが…。■ ■22-20sの感想■ ■児童向けミステリシリーズ。 このシリーズは歌野晶午の(魔王城殺人事件)に続き、二冊目ですね。 物語前半はドキドキ、ワクワクで希望が溢れている感じ。。。が、 後半で物語が一変。 黒乙一の登場ですよ。 自分が子供だったら、人間にちょっと失望しちゃうかも(笑) 人間の嫌な部分や、ダークさがこれでもかと出てきて、とってもビターな味の物語と仕上がっております(笑) さらに挿し絵がなんかダーク…。 ある意味、子供向けでこんなのいいのか!? きっと純粋な子供がみたら、トラウマだよ。これ。(笑) まあ、物事は一つの方向から見る物ではないということを学ぶかもしれませんし、どうしょうもない、どん底から希望を見つけるってことも学ぶかもしれません。。。 乙一さんもやってくれますねぇ。。。しかし(笑) 乙一好きの自分は、アル意味、想像していたガキっぽい話じゃなく、楽しめました♪ まあ、色んなチョコレートの名前が出てきて美味しそうな本っすね。これ。(★★★★)■ 銃とチョコレート 乙一さんの【公式ページ】はこちら! 乙一さんの【公認ページ】はこちら! ジャンル別一覧
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